PICを使って部品が少なく作りやすい電子サイコロを試作しました。
設計と製作方針
- 小学4年生~中学生の工作教室で使いたいので、はんだこての取り扱い指導、はんだづけ練習からはじめて2~3時間で完成させられる程度の部品点数と難易度にする。
- であれば、ロジック回路ではDIP ICが複数個必要になるため、PICマイコンを使用する。
- PICマイコンを使うのであれば、スリープ機能を使い電源スイッチ不要にしたい。
- より楽しいものにするため、音が出るようにしたい。
サイコロの目の点灯パターン
サイコロの点灯パターンは1から6までの目の6通りありますが、実際に点滅する7つのLEDは、次表にあるようにA~Dの4パターンの組み合わせに限定されるため、信号線4本でコントロールすることができます。
PICマイコンの選択
信号線はこのほかに出力が1系統(圧電スピーカを鳴らす)、入力が1系統(起動スイッチ)必要です。したがって、PICで必要になるI/Oは、出力ピンが合計5本、入力ピンが1本ですから、8ピンのPICを使用することにしました。部品箱にPIC12F1822があったのでこれを使います。他の品種でも同様に製作できるでしょう。
LED回路の概要
中心に対し対称に位置する3組の2個ずつのLEDが、PICからの出力信号で直列にドライブされるように回路を組みます。中心のLEDは、ここだけ2個直列ではなく単独で点灯するので、他のLEDと明るさをそろえるために電流制限抵抗の値を大きくしてあります。
LEDに流れる電流はブレッドボード上で点灯させて、ちょうどよい明るさを探って約8mAと決めました。LEDの品種を変えると再調整が必要でしょう。
PICの出力ピン電圧 Vdd=4.5[V](実際はこれより少し低い)
LEDの順方向電圧 Vf=1.8 [V](点灯させてテスタで実測するか、データシートから求めます)
LEDの点灯時電流 If=8[mA](点灯させてテスタで実測)
2個直列部分の抵抗 (Vdd - 2Vf) / If = (4.5 - 2x 1.8) / 0.008 = 112.5[Ω]
真ん中の部分の電流 (Vdd - Vf) / If = (4.5 - 1.8) / 0.008 = 337.5[Ω]
それぞれ、110Ω、330Ωを採用することにしました。
電源電圧の選択
直列接続のLEDを点灯させるため、電源電圧は単3電池3本で4.5Vとしました。5Vでも同様に動作します。直列接続したLEDの順方向電圧は2個で約3.6Vになりますので、電源電圧3Vでは真ん中のLED以外を点灯させることができません。
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